Must業務にはティーチング、Will業務にはコーチング
合力知工・市丸邦博 著『サスティナブル・コーチング』
(同友館、2021年)
スポーツ選手や組織の部下を育てる方法としてコーチングが有名ですが、その具体的な方法を知るために本書を読んでみました。
今回は、コーチングとティーチングの使い分けについてです。
本書では「コーチングは万能ではない」ということを基本としています(2ページ)。そして、企業や組織の業務にはCan業務(訓練によってできるようになる)、Must業務(やらなければいけない業務)、Will業務(やりたい業務)の3つがあり、Must業務とコーチングは相性が悪いとされています(43ページ)。私は本書のこの部分はとても納得できました。
では、部下のMust業務にどう取り組ませるのか、というときに出てくるのがティーチング(上司の知識や技能を教える)というものです。
上司がティーチングをする際に気をつけるべきこととして本書では「給料分は働け!」のような高圧的な言い方があげられ、その理由として部下に「不幸感」を与えるからとされています(44ページ)。パワハラだからというここともあるでしょうが、幸福感・不幸感との関連で述べているのが本書の特徴的なところだと思いました。