ジェイソン流とは「節約→投資信託」の一本道

厚切りジェイソン 著『ジェイソン流お金の増やし方』
(ぴあ、2021年)

 「Why ジャパニーズピープル!」でお馴染み、お笑い芸人の厚切りジェイソンさんによる、お金の増やし方の本です。お金の話は複雑になりがちで、私は面倒な手続きはどうしても避けてしまっていました。でも本書はとても面白く読めました。

厚切りジェイソンさんは大金持ち

 本書を読むまで知らなかったのですが、厚切りジェイソンさんはたいへんな大金持ちなのだそうです。どのぐらい金持ちなのかというと、今全く収入がなくなっても、自分と家族が一生暮らしていけるだけのお金を持っているというレベルです。
 そのレベルまでのお金をどのように貯めたのか、増やしたのか。そこのところを包み隠さず披露してくれたのが本書です。
 ちなみにジェイソンさんは、アメリカの中流家庭の出身で、親から巨額の相続を受けたというわけではありません。そして、芸能人としてバカ売れして大きな収入を得たというわけでもありません。これは重要なポイントです。日本の一般的な家庭出身の人でもお金を貯めて、増やせる方法を本書でジェイソンは解説してくれています。

節約して、投資する。それだけ。

 ジェイソンさんが実行した方法は、①無駄な支出を減らし、②余った金を投資信託に投資する、というものです。さらに付け加えると、③個別の株式銘柄に投資するのではなく、いろいろな銘柄がパッケージになった投資信託に投資して、④配当金をさらに再投資する、という方法をコツコツと続けたのだそうです。
 この方法は、株価相場の上下に一喜一憂する必要もなく、本業に集中しながら、いつの間にか資産が増えている、というかたちになり、とてもいい方法だと思いました。
 本書の出版は2021年で、2024年からの新NISAのことは触れられていませんでした。しかし、投資で利益が出たら、できるだけ非課税の口座を利用したほうがいいと書かれていました。今は新NISAという非課税口座の制度ができたので、そちらを利用するのがいいと思いました。

自分の支出を把握せよ

 ジェイソンさんは大金持ちですが、無駄使いをしない倹約家なのだそうです。そして、自分の支出を把握するためにスマホアプリのmoneytreeを利用するといいと書かれていました。
 自分が何にお金を使っているのかを細かく把握するのは、とても面倒です。家計簿をつけるのも大変ですし。moneytreeは、銀行口座やクレジットカードの利用履歴などを一元的に管理できる家計簿アプリです。しばらく使っているとAIが学習して、費目ごとの支出額を計算してくれたり、資産の変動をグラフ化してくれたりしてくれます。とても便利そうでしたので、私もさっそく利用し始めました。
 自分が何に使っているのかの把握がいい加減だと、資産の増え方は鈍ると述べています。お金を増やすには、お金の管理が重要ということでした。本書を読んで一番感じたことは、彼を見習って、もう少し支出の把握・管理をしっかりしなければ、ということでした。

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