「話し言葉」と「書き言葉」の違いは「定着力」にあり!

齋藤孝 著『原稿用紙10枚を書く力』
(大和書房、2023年)

 SNSやインターネット、AIが爆発的に進化する現代社会で「書く力」がなぜ必要になるのか。この点について本書を読みながらもう少し掘り下げてみたいと思います。今回は「話し言葉」と「書き言葉」の違いについてです。
 齋藤さんは「話す」ことと「書く」ことはまったく違う行為でありながら、その点を誤解している人が多いと言います(66ページ)。
 具体的には、話された言葉はその瞬間に消えていくのに対して、書かれた言葉は定着し、時間を超えて残る。つまり、定着力こそが「書き言葉」の特徴です(67ページ)。
 体験したことは、そのままにして放っておけば流れ去ってしまう。しかし、体験を書くことによって、後で読み返すことができるようになり、そのときの心の状態もつかみとることができる、というのが齋藤さんの考えです。
 私は、本書のこの部分を読んで、日記の大切さに改めて気づきました。それから、会議の議事録もとても大切だと思いました。

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