(鎌倉殿の13人)命乞いで処刑ストップのはずが「時すでに遅し」
三谷幸喜・作『鎌倉殿の13人』(第17話)
(NHK大河ドラマ、2022年)

『鎌倉殿の13人』を私はリアルタイムで視聴していなかったのですが、このたびDVDで観る機会をもつことができました。脚本家の三谷幸喜さんのおかげで、今まであまり興味のなかった鎌倉時代の人々の生活や人間模様を知ることができてうれしいです。今回は第17話「助命と宿命」を観た感想をリポートします。
今回は京に入った義経(菅田将暉)が後白河法皇から検非違使に任ぜられたところから始まりました。検非違使は京の安寧を守る重要な役目です。一ノ谷の合戦で平家を破った義経が法皇に気に入られて大出世をしたのです。
しかし、この任官が鎌倉の頼朝(大泉洋)の推挙を得ていなかったことも後々、問題を呼び起こしそうです。
次に、木曾義仲から鎌倉に人質として送られた源義高、甲斐源氏の武田信義(八嶋智人)の「粛清」を指示する頼朝。源義高は頼朝・政子の長女の大姫の許婚(いいなづけ)になっていましたので、北条政子(小池栄子)と北条義時(小栗旬)によって義高を逃がすことが画策されました。
子役の大姫が父・頼朝の前で「義高を殺すなら私も死にます」といって刃物を首に近づける場面があり、ハッとさせられました。
これに折れた頼朝は、義高を見つけても殺すなと指示。しかし、時すでに遅し。頼朝の御家人の1人によって義高は首をはねられました。
こういう激しいストーリー展開だったうえに、今回はセリフも印象的なものが多かったように思います。いくつかそれを挙げたいと思います。
「人の世を治めるには鬼にならねばならぬ。」(源頼朝)
「お前たちはおかしい。狂っておる。」(武田信義)
「姉上は決して許さぬと申されました。観台所(みだいどころ。北条政子のこと。)の言葉の重さをお考えください。」(北条義時)