(話す力)根拠・データを集めて「論破」はほどほどに

樺沢紫苑 著『これからの生き方図鑑』
(光文社、2023年)

 本書にはアフター・コロナの新生活で何に気をつけて、どう行動すればいいのかについて47個の具体的な論点と方法が示されています。今回はディベートや会議についてです。
 ひろゆきさんが、テレビやSNSで討論相手を「論破」することで脚光を浴びています。本書ではひろゆきさんの論破力が分析され、次の3つのポイントが指摘されています。

①事実と感情を分ける
②事実と意見(感想)を分ける
③事前に根拠とデータを用意しておく

これがひろゆきさんの論破力を支えていると本書の著者、樺沢紫苑さんは指摘しています(120~122ページ)。②に関しては「それはあなたの感想ですよね」というのが、ひろゆきさんがよく使うフレーズです。これは私も聞いたことがありました。
③に関しては「根拠は何ですか?」「データはあるんですか?」 これもひろゆきさんがよく使っているフレーズだそうです。討論に際しては①から③について気をつけたいと思いました。
 さて、特に①は日本人が苦手とするところです。私も経験があります。樺沢さんは「ひろゆき氏のディベートは、あくまでエンタメ」で、テレビ討論などのショーとしては面白いのですが、実生活では人間関係が悪化するリスクが大きいと述べています。
そして、次の言葉が一番重要だと思いました。

相手に花を持たせて、「わざと負ける」くらいの余裕がある人こそが、真の「ディベート勝者」だと思います。(123ページ)


 そういえば、ひろゆきさんも確かフランス在住で、日本の中で論破しまくっているわけではないことに気づきました。

Follow me!