(アドラー心理学)感情は2つの目的に使用されるもの

アドラー 著『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』
(ダイヤモンド社、2014年)

 本書は、アドラー自身の言葉を心理カウンセラーの小倉広さんが解説したものです。本書はアドラー心理学のエッセンスが凝縮されていると思います。今回は「感情」に対するアドラーの考えについてです。
 「感情」に対するアドラーの考えは特徴的だと思います。本書の解説で小倉広さんは、アドラー以前の心理学、特にフロイトの心理学では、人は無意識下の「感情」によって突き動かされると捉えていました。これは「感情」を原因として人が行動するという意味で「原因論」と呼ばれます。
 これに対して、アドラーは、人は何らかの目的のために「感情」を「使用」すると捉えました。本書ではこれを「目的論」と呼んでいます。
 では、どんな目的のために「感情」が「使用」されるのでしょうか?
これに対するアドラーの答えは、①相手を操作し支配するため。そして②自分自身を突き動かすため、というものです。
 特に①に関連するアドラーの言葉が本書で紹介されています。

カッときて自分を見失い怒鳴った、のではない。
相手を「支配」するために
「怒り」という感情を創り出して利用したのだ。(本書21)

 アドラーは「感情」をコントロールするよりも、この「生き方のクセ」である「ライフスタイル」をコントロールせよ、とも説いていました。こういう「感情」に対するアドラーの考えは独特だなと感じます。

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