北条氏に接近したのは源頼朝の策略か?『鎌倉殿の13人』第1話

三谷幸喜・作『鎌倉殿の13人』(第1話)
(NHK大河ドラマ、2022年)

 小学生の頃にNHK大河ドラマ『徳川家康』を観て以来、戦国時代や歴史のファンになりました。近年の大河ドラマは『西郷どん』や『真田丸』を観ました。『西郷どん』は幕末・明治、『真田丸』は戦国時代を描いた作品です。大河では人気のある時代です。
 『鎌倉殿の13人』の鎌倉時代は大河ドラマではそれほどメジャーな扱いを受けてきてはいないのですが、2022年の放送当時に良い評判をたくさん聞いていました。私はリアルタイムでは視聴していなかったのですが、このたびDVDで観る機会をもつことができました。今回は第1話「大いなる小競り合い」を観た感想をリポートしたいと思います。
 第1話の全体的な感想としては、内容盛りだくさんで、1話なのにかなり物語が進行したなという印象をもちました。よくありがちな、主人公の幼少期をじっくり描き、人となりや周囲の人物を紹介に終始する、というような作り込みではなかったです。
特にその印象が強かったのは、源頼朝が伊豆に流されている間の監視役である伊東祐親の娘・八重(新垣結衣)と頼朝の間にできた子・千鶴丸が伊東祐親の家人によって殺される場面が初回で描かれていたところです。
 そして、本作の主人公の北条義時(小栗旬)が以前から八重に恋心を抱いていたという設定も触れられていました。北条義時は源頼朝の家来になって後に第2代の執権になる間柄ですので、今後の人間模様がどうなっていくのか、気になりました。
 次に、使われている音楽が良かったです。頼朝が姫に扮して義時とともに馬で逃げる場面で使われていたクラシック音楽が場面に合っていて良いと思いました。何度か聞いたことがありました。後で調べたらドヴォルザークの交響曲第9番「新世界」の第4楽章でした。このアイデアは脚本の三谷幸喜さんから出たものでしょうか。こういうところに作り手のセンスが出るなあと感心しました。
 第1話の最後のところで、日本地図上で当時の勢力関係などが説明されていました。これは三谷幸喜さんが脚本の『真田丸』と同じだなと気づきました。そして、神戸を拠点にした平清盛(松平健)、木曽義仲(青木崇高)、奥州・平泉にいた源義経(菅田将暉)などが地図上に映し出されました。義経が奥州藤原氏の3代目・秀衡のところにいたことが長沢まさみさんのナレーションで分かりました。長沢さんは『真田丸』ではヒロインでしたが、今回はナレーションなのね、『シン・仮面ライダー』にも出ていたし、仕事多いね、と思いました。

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