(鎌倉殿の13人)寄せ集め頼朝軍に義経が加入した回

三谷幸喜・作『鎌倉殿の13人』(第9話)
(NHK大河ドラマ、2022年)

 『鎌倉殿の13人』を私はリアルタイムでは視聴していなかったのですが、このたびDVDで観る機会をもつことができました。脚本家の三谷幸喜さんのおかげで、今まであまり興味のなかった鎌倉時代の人々の生活や人間模様を知ることができてうれしいです。今回は第9話「決戦前夜」を観た感想をリポートします。
 鎌倉に入った頼朝(大泉洋)ですが、平清盛(松平健)による追討軍が京から迫ってきます。清盛の三男、宗盛(小泉孝太郎)が追討軍を率いています。
 甲斐の武田信義(八嶋智人)を味方に引き入れることに成功した頼朝ですが、信義と頼朝の関係はギクシャクしています。そもそも、この時期の頼朝軍は「寄せ集め」のような感じが濃厚です。今回のストーリーでは、この「寄せ集め」という特徴が強く描かれたという印象を受けました。
 富士川の合戦の前夜の暗闇の中で、水鳥の羽音を頼朝+武田軍の夜襲と勘違いした平家軍が逃げ出して総崩れとなるというあっけない結果となりましたが、ここで一気に追撃して京まで攻め上りたい頼朝に対し、味方の北条氏や三浦氏はいったん所領に帰ることを主張します。ここでも「寄せ集め」という特徴が出ました。
 流人となっていた頼朝は所領がありません。これに対し、北条氏や三浦氏は所領があり、この所領と一族を守り抜くことが最優先です。実は「平家打倒」の思いはあまり強くないのです。
 それを知った頼朝が「やっぱりワシには身内がいない」といって悲しみに暮れているところへ、奥州から馳せ参じた弟・義経(菅田将暉)と涙の再会を果たす――これが今回のクライマックスでした。
 八重(新垣結衣)が救出され、頼朝に内緒のまま台所の手伝いをすることが政子(小池栄子)に許されるという驚きのエピソードもありました。これなども次回以降の楽しみです。

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