読書感想文のコツ:書きたいことを3つに絞り込もう!

齋藤孝 著『カンタン! 齋藤孝の最高の読書感想文』
(KADOKAWA、2020年)

 小学生の頃、夏休みの読書感想文の宿題で苦しんだ経験があります。読書感想文の書き方を習った記憶がなく、苦手意識がありましたので、コツがつかみたいと思いました。先日、臼井彩莉さんの『穴うめ式でらくらく書ける読書感想文』を読みましたが、今回は本書を読んでみました。


 本書の著者、齋藤孝さんは教育学者でNHK Eテレの「にほんごであそぼ」の監修にも携わっていらっしゃいます。本書は小学生を対象として分かりやすく読書感想文のコツが解説されています。会話的な文体で書かれており、大きめの挿絵もあって親しみやすい構成になっています。
本書を読んで次のようなことが勉強になりました。

・本を読み始める前に、「これを読んだら人に伝えるんだ」と意識する。
・「グッときたところ、心が動いたところ」に、付箋を貼っていく。
・どんなふうに心が動いたのか、付箋にメモしておく。
・書きたいことメモを作る。
・「グッときたところ」を、最終的に3つに絞り込む。

 人に伝えることを意識して読むことが読書の効率を高めるということを小学生はあまり知らないと思うので、こういうことを小学生のときに教わりたかったと思いました。
 また、付箋をつけながら読み、それにメモしながら読むというのも能動的な読み方だなと思いました。こういう能動的な読み方をすると、著者の意見を一方的に聞くのではなく、著者との対話に近いかたちになると思いました。
 ここまでは読む段階ですが、いきなり書く段階に行かないところが重要だと思いました。書く準備段階としてメモを作り、書く内容を3つに絞るというコツが示されています。3つというのは、多すぎず少なすぎない数で、よいバランスだと思います。


 本書には他にも、いったん書いた後の推敲のポイントや推薦図書などもついており、とても内容の濃い本でした。基本的に小学生向けの解説ですが、私のような大人にも勉強になる内容で良かったです。

Follow me!