「鬼のルーティーン」の秘訣は「毎日」「5分」「記録」
井上新八 著『「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる! 続ける思考』
(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2023年)
何かをし続けるのは簡単ではないと感じています。ですが、小さなことでもし続けるといい成果が得られることがあるという実感もあります。私の場合、夏場ボウボウに生えた庭の草を1日3本ずつ抜いていったら3ヶ月ぐらいできれいになったという経験があります。
もう1つは毎朝、肩の周りの筋肉を動かす運動を続けています。数年前に四十肩で肩が上がらなくなって、病院に行ったら、この肩周りの筋肉のストレッチを教わって毎日やるようになりました。おかげさまで四十肩は治り、今のところ再発していません。
今回は、朝起きてから午前中に「鬼のようなルーティーン」をこなすという評判のあるブックデザイナーの井上新八さんの『「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる! 続ける思考』を読んでみました。ものごとをやり続けるコツが書かれていました。
本書を読んで、私が特に勉強になったのは以下の4点です。
「毎日やる」が最もラク
井上さんの経験・実感からすると、「週3回やる」やるより「週7回やる」ほうがはるかにラクだということです。そして、井上さんが「この本で読むべきところは、この1行だけ。絶対の最強法則」だと述べています(66ページ)。
そして井上さんの場合、仕事などが忙しくても、朝早起きして毎日、ルーティーンをこなすのだそうです。朝ルーティーンの中に組み込んで、毎日、週7日やるということ。人間の意志はあまり強くないので、やらなくていい日を作ると、そのままやらなくなって、やめてしまう、というのが井上さんの考えです。分かる気がします。
1日5分でいい。そして「小さく終わらせ続ける」
朝ルーティーンに組み込むときに、5分ぐらいの短い時間でできる程度に小さく分割すること。これが大事なのだそうです(80ページ)。たとえば、長編小説。たとえば、ダンス。毎日5分を続けると確実に変化が起きる。そのために「大きな山を『小さな5分』に変換」。これはとても重要なアイデアだと思いました。
「記録」をすると継続が楽しくなる
スマホで写真を撮ったり、ノートに書いたりして、記録すると継続が楽しくなり、好きになる、というのが井上さんの考えです(218ページ)。たとえば、納豆の味や形状を記録する、ドラマの中で出てくる本をスマホで撮る、ということを井上さんはされているそうです。とても面白そうなので、私もやってみたいと思いました。
①読書→②内容をメモ→③投稿の3ステップで「自分にインストール」
井上さんは、もともとは読書が苦手、文章を書くのも苦手だったそうですが、読書感想をX(旧Twitter)に毎日、投稿し、毎週noteにも投稿しているそうです。これをすることによって、読んだ本の内容が「しっかり自分の中でインストールされる」と述べています(274ページ)。私はこの「インストールされる」という表現が素晴らしいと思いました。
私自身も読書案内ブログをやっているので、本の記事を投稿することで、内容がよく理解できるということを実感しています。そして、井上さんのアイデアの中で特に面白い、やってみたいと思ったことは、「記録する」ということです。何でもいいので、あまり深い意味を考えずとも、記録していくと、それが好きになる、趣味になる、という井上さんの指摘は、本当に重要で素晴らしい考えだと思いました。