映画『すずめの戸締まり』から考える「つらいときは泣いていい」

樺沢紫苑 著『これからの生き方図鑑』
(光文社、2023年)

 本書にはアフター・コロナの新生活で何に気をつけて、どう行動すればいいのかについて47個の具体的な論点と方法が示されています。今回は映画『すずめの戸締まり』から考える「つらいときは泣いていい」です。
 『すずめの戸締まり』は私も観ました。私は「この世」から「あの世」に迷い込む描写がジブリアニメの『千と千尋の神隠し』に似ていることや、主人公・鈴芽が宮崎から日本を北上して、実家があった東日本大震災の被災地に向かう様子を「アイデンティティの確認作業」だと捉えた叔母であり育ての親の環さんに共感しました。
 本書『これからの生き方図鑑』で樺沢紫苑さんは、『すずめの戸締まり』について、トラウマ(心の傷)に向き合うことによる「心の戸締まり」を描いていると述べています(252ページ)。そして樺沢さんは「つらいときは泣いていい」と述べています。

 私が捉えた「あの世」は、被災した人々、生き残った人々の「心の傷」の象徴でもあったのだなと気づきました。
 さすが、樺沢さんだな。さすが精神科医だなと感心させられました。ひとつ面白い視点が得られて本当によかったと思いました。

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