(鎌倉殿の13人)急に縁者が名乗り出てきたのはなぜ?
三谷幸喜・作『鎌倉殿の13人』(第10話)
(NHK大河ドラマ、2022年)
『鎌倉殿の13人』を私はリアルタイムで視聴していなかったのですが、このたびDVDで観る機会をもつことができました。脚本家の三谷幸喜さんのおかげで、今まであまり興味のなかった鎌倉時代の人々の生活や人間模様を知ることができてうれしいです。今回は第10話「根拠なき自信」を観た感想をリポートします。
義経(菅田将暉)は戦の経験のない若武者ですが、高い山の岩場に囲まれた敵陣の背後をあえて衝くような、正攻法ではない作戦を考えつく軍略家だったようです。今回の題名は「根拠なき自信」ですが、これは義経のことを表現しています。
坂東(関東)の源氏方を盤石にするために頼朝(大泉洋)が関東北部の佐竹氏を攻めた様子が今回長い時間をかけて描かれました。頼朝にとって義経は頼もしい存在になってきている様子です。
その一方で、上総氏(佐藤浩市)などの坂東の豪族はあまり信用できないということを口にする場面もありました。今回は頼朝の異母兄弟が3人となり、番組の最後にさらに1人登場しました。勢力がついてきて有名になると急に縁者が名乗り出てくるということは現代でもありそうな話だと思いました。
『鎌倉殿の13人』の主人公は北条義時(小栗旬)ですが、ここまで10話を観るかぎり、義時だけがライトアップされている感じではなくて、「群像劇」のような雰囲気を感じます。