ポジティブがネガティブの3倍を超えると幸福優位になる
合力知工・市丸邦博 著『サスティナブル・コーチング』
(同友館、2021年)

スポーツ選手や組織の部下を育てる方法としてコーチングが有名ですが、その具体的な方法を知るために本書を読んでみました。
今回は、コーチングと相性がいい「ポジティブ心理学」についてです。
コーチが身につけるとよい学問は「禅的思考」「ポジティブ心理学」「脳科学」の3つです(ⅶページ)。「ポジティブ心理学」の大きなテーマは「幸福」で、コーチの幸福感が部下や選手に伝わることがコーチングを長続きさせる基盤となります(47ページ)。
「ポジティブ心理学」の大きな成果だと私が感じるのは、人間の感情の中でネガティブ感情とポジティブ感情の比率のベスト・バランスを数値化して示してくれていることです。その比率は1 : 3です(66ページ)。つまり、ポジティブがネガティブの3倍以上になると幸福優位になるということです。ノースカロライナ大学心理学教授のバーバラ・フレドリクソン氏が提唱している考え方です。
私は本書を読んで、ポジティブがネガティブの3倍になるとよいという説を初めて知りました。ポジティブに注目し、ポジティブな要素を拡大することが大切だと思いました。