ホグワーツの違和感は「英国の伝統」だった!『映画で読み解くイギリスの名門校』を読んで

秦由美子 著『映画で読み解くイギリスの名門校(パブリック・スクール)』
(光文社、2024年)

 『ハリー・ポッター』シリーズを映画で観たり、オーディブルで聴いたりして、ハリーが通うホグワーツ魔法学校の寮(ハウス)の仕組みに興味をもちました。『ハリー・ポッター』の原作はイギリスで書かれたものですので、現実にあるイギリスの学校の寮の仕組みと関係があるのではないかと思い、探した結果、本書『映画で読み解くイギリスの名門校(パブリック・スクール)』があることが分かりました。
 本書の第1章はズバリ、「ハリー・ポッター」シリーズに学ぶ寄宿学校の暮らしと題して書かれています。本書を読んで、気付いた点を紹介します。

1. ホグワーツの元ネタ

 『ハリー・ポッター』で描かれるホグワーツ魔法学校の寮生活は、イギリスの伝統的な私立中等学校「パブリック・スクール」との類似点が満載です。

    ・どの寮に属するのか、すぐに分かる上着やネクタイ
    ・寮(ハウス)対抗試合や対抗コンテストで、ハウス・スピリットを養うこと
    ・全寮制の中で友情を育む

     『ハリー・ポッター』では「組分け帽子」によってグリフィンドールに入寮することになったハリーは、同じ寮のハーマイオニーとロンと友情を育み、反対に他の寮生とは何かにつけて敵対します。私は、この仕組みは寮の違いによって競争心や敵対心が煽られているので、とても違和感をもっていました。しかし、現実のイギリス社会で、元ネタになる仕組みがあることを知って、映画での描かれ方に納得しました。

    2. パブリック・スクールが描かれた映画リスト

     以下、本書で紹介されている映画を列挙しておきます。どの映画のなかでも、現実のパブリック・スクールがどこかで登場し、ストーリーの重要な要素となっています。

      『いまを生きる』1989年制作
      『チップス先生さようなら』1969年制作
      『キングスマン』2014年制作
      『ヒストリーボーイズ』2006年制作
      『if もしも……』1968年制作
      『アナザー・カントリー』1984年制作

       こんなにもたくさんの映画でイギリスのパブリック・スクールが描かれているとは想像していませんでした。そして、『ハリー・ポッター』以外は観たことがありません。
       たしか、名優ロビン・ウィリアムズ主演の『いまを生きる』は日本での公開当時、とても評判になっていたと思いますので、レンタルか何かで観てみようと思いました。

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