【フィードバック】あえて「部下にとって耳の痛い話」も

中原淳 著『フィードバック入門』
(PHP出版、2017年)
私は「フィードバック」という言葉をふだんあまり意識していませんでしたが、業務を行っていくうえで「うまくいかなかったことの修正」という意味なのかなと漠然と考えていました。本書を読んで「フィードバック」の基本的な考え方や具体的な方法を理解したいと思い、オーディブルで聴きました。
本書を読んで(聴いて)分かったのは「フィードバック」は企業や組織のマネージャー層の人たちが部下育成のために行うことだということです。部下の業務遂行の状況について本人に事実通知したうえで、振り返りを支援し、改善につなげる取り組みです。1on1(ワン・オン・ワン)ミーティングのようなかたちで本人と直接向き合うので、部下から反発を食らうこともあるようで、上司としてはシビアなことのようです。
「フィードバック」は「コーチング」とは違うということが本書では強調されていました。「コーチング」は、本人の気づきを促すことを基本としていますが、「フィードバック」は本人に事実通知したうえで振り返りの支援をします。事実通知には「今期の目標値に達していない」とか「あなたの〇〇のような行動は会社にとって不利益になっている」というような、本人にとって耳の痛い話が含まれます。
ですので「フィードバック」をすると、部下から反発を食らったり、開き直りをされたりということがあります。本書の後半では、部下のタイプ別に、具体的なフィードバックの方法が解説されていて勉強になりました。
本書を読んで「フィードバック」の意味や方法がかなり理解できたので、これからは自信をもって、この言葉を使うことができそうです。「フィードバック」は楽しくない場合もありますが、企業や組織にとって重要な活動なので、できることからやっていこうと思いました。