(鎌倉殿の13人)梶原景時の不人気と頼家の女好きというダブルのゴタゴタ
三谷幸喜・作『鎌倉殿の13人』(第28話)
(NHK大河ドラマ、2022年)

『鎌倉殿の13人』を私はリアルタイムで視聴していなかったのですが、このたびDVDで観る機会をもつことができました。脚本家の三谷幸喜さんのおかげで、今まであまり興味のなかった鎌倉時代の人々の生活や人間模様を知ることができてうれしいです。今回は第28話「名刀の主」を観た感想をレポートします。
今回はいつにも増して内容が濃かったように感じました。話の大きな流れは、梶原景時(中村獅童)が鎌倉を追われることになっていく様子が軸となっていました。
源頼朝(大泉洋)が亡くなって息子の頼家が2代目「鎌倉殿」になって半年後ぐらいの話のようです。景時は頼家の信頼を得て重用されていましたが、御家人たちは景時に反感をもつ者も多かった。60人を超える御家人による景時断罪の連判状が頼家に出されました。
ここで頼家は景時を守らず、幕府での職を解いて謹慎を命じます。そして、この鎌倉のゴタゴタに朝廷はつけ込みました。朝廷の中心は後鳥羽上皇(尾上松也)。これまでは頼朝vs後白河法皇だったことを考えると代替わりしたことを実感しました。
後鳥羽上皇は、景時に京に来て朝廷に入るよう書状を出します。この書状を出すとき上皇は役人に「試しにくすぐってみよ」と指示を出していたのが印象的でした。余裕ある感じで手強そうな様子が伝わってきました。
もう1つ触れておきたいのですが、鎌倉のゴタゴタの原因として頼家の女好きが災いしているということも今回描かれました。御家人の妻に手を出し、側室に迎えようとして義時(小栗旬)ら重臣(宿老)たちに猛反対されていました。最期は頼家の母・政子が出てきて、側室に迎える話は取りやめとなりましたが、頼家は御家人たちからの信用を大きく落としてしまいました。
頼家も父・頼朝と比べられるのが気に入らないのかプレッシャーなのかよく分からないところもありますが、今後もゴタゴタしそうな気配でした。次回はどうなるのか。楽しみです。

