髪の毛「サラサラに?」映画『ミステリと言う勿れ』鑑賞記

 2023年9月15日、映画『ミステリと言う勿れ』を観ました。家族の勧めでテレビドラマの再放送も観て「予習」もしてましたので、とても楽しめました。(※ネタバレ有り)
 この映画は遺産相続で殺し合う一族の謎解きがストーリーの中心です。こう言うと、まるで『犬神家の一族』みたいですが、それを下敷きにして別の謎解きストーリーになっていて面白かったです。
 『犬神家の一族』では一族の間で次々と殺人が起こっていきますが、この『ミステリと言う勿れ』では、最初だけ殺し合う雰囲気になるだけで、主人公の整(ととのう)君の仲立ちもあって、今回の登場人物たちの殺人は回避されます。
 ですが、過去150年の間に、狩集(かりあつまり)家一族の中で若くして不審な死に方をする人がいたことが触れられます。その謎解きが今回のストーリーの中心です。
 整君が古いアルバムを見ていて、髪が「テンパー」の者が生まれると、殺されたという共通点があることに気づきます。幕末・明治維新の頃に「狩集」家が3人組の男たちに皆殺しにされて、乗っ取られて「なりすまし」されたことが、「テンパー」という容姿によってバレてしまうことを怖れて、隠蔽のために殺人が繰り返されてきた。その謎解きストーリーがとても面白かったです。乗っ取られる前の「狩集」家の人々は髪の毛がサラサラだったことが分かります。

 整君はところどころで世の中に対して普段考えるいることや気づきを語るキャラクターです。今作では「自分の絵が下手だと感じるのは、絵に対する目が肥えてきたとき」という整君の言葉が一番の名言だと思いました。
 映画は広島を舞台としており、宮島・厳島神社とか原爆ドーム、路面電車、新幹線の東広島駅などが撮影場所になっていて、私も行ったことがある場所も多かったので、この点も楽しめました。
 映画『犬神家の一族』でもキャスティングされていた松島菜々子が、『ミステリと言う勿れ』にも出ていて、その点も面白かったです。

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