子どもが自ら動き出す! アドラー流「勇気づけ」の魔法
星一郎 著『アドラー心理学で「子どものやる気」を引き出す本』
(三笠書房、2016年)

私はこれまで、『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』などアドラー心理学の解説書を何冊か読み、その「課題の分離」や「他者貢献」といった考え方に関心をもってきました。アドラー心理学についてもっと知りたいと思っていましたが、今回『アドラー心理学で「子どものやる気」を引き出す本』という本に出会いました。本書は、アドラー心理学の理論を単に繰り返すのではなく、子育ての場面に特化して、親が子どもとどう向き合うべきかを具体例を交えて丁寧に解説しています。この本から得られた3つの重要な気づきについて、以下に詳しく述べていきます。
1. 「喜び」や「感謝」を子どもに伝えよう!
この本から得られた第1の気付きは、親の「喜び」や「感謝」を積極的に子どもに伝える大切さです。日本では「以心伝心」「言わぬが花」など、口に出さないことをよしとする傾向があります。家族など身近な人間関係ほどこの傾向は強まります。
親が子どもに「喜び」や「感謝」を伝えることは、子どもが家庭で役に立っている、必要とされていることを実感するために重要です。つまり、子どもの自尊感情を養うことにつながります。
2. 子どもの「できたこと」を数えよう!
第2の気付きは、子どものできないことを数えるのではなく、できたことを数えることです。例としては子どものテストの点数があります。65点をとった子どものできなかった35点に注目するのは、できなかったことを数えることになります。しかし、できた65点分に注目するほうが重要です。これは、テストの結果よりも、子どもの努力の過程を認める、という親の姿勢にもつながります。
3. 嫌な気持ちを「数量化」するという方法
第3の気付きは、子どもが経験してた「嫌なこと」を数量化することの重要性です。失敗した、うまくいかなかったという経験を子どもがしたとき、「嫌だ」という気持ちが芽生え、自信もなくします。しかし、最悪を10点とすると、今日あった嫌なことは何点なのか、数量化してランクづけするようにするように促すという方法が本書で紹介されていました。最悪を10点とすると、今日の経験が7点だったことに気付けば、逆に3点分はポジティブな要素があることにも気付きます。こうすると、3点を4点、5点に伸ばしていくことが次の課題として見通せることにもなります。
本書を読んで、アドラー心理学の応用できる範囲がとても広いことに気付きました。本書は子育てのヒントになることが多く書かれていると感じました。子育て中の方や、アドラー心理学に関心のある方は本書を読んでみることをおすすめします。

