(岡本太郎)「下手くそだなあ」と見とれて、にっこり笑えるか?

岡本太郎 著『自分の運命に楯を突け』
(青春出版社、2016年)

 先日、大阪の万博スクエアにある「太陽の塔」を見学してきました。今は中も見学できます。1970年大阪万博の展示「生命の樹」を再現したものが見られます。生物の進化の過程を見ながら上層に上っていって猿や人間が現れるというデザインが本当に素晴らしいと思いました。
 これを設計したアーティスト・岡本太郎の本『自分の運命に楯を突け』を「太陽の塔」地階のショップでお土産として買って帰り、読んでみました。その中から、岡本太郎さんの名言を紹介したいと思います。

「だから平気でやってごらん。“下手くそだなあ”と見とれて、にっこり笑えばいい。」


 これが、本書を読んで一番面白かった箇所です。自分をそのまま表現する。それでいいじゃないか、という岡本さんのメッセージが伝わってくるような気がしました。
 上記の文章の直前には以下のような文章がありました。

「なら下手なりに、平気でつくればいいじゃないか。がっかりすることないよ。どんなにひんまがって不格好でも、心が生み出した以上、必ずなにかがある。それを発見し、実現していくことは、キミ自身の自己発見だ。平気で表現したものは、手先で器用につくられた職人芸よりはるかに素晴らしい。」(182ページ)


 岡本さんは本書で「本職は人間だ」とも述べています(144ページ)。本書には他にもたくさんの名言が書かれていますので、これからもいくつか紹介してきたいと思います。

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