(時間術)「今日のハイライトを何にしよう?」
ナップ/ゼラツキー 著『時間術大全』
(ダイヤモンド社、2019年)
手帳などを使った時間管理の方法に興味があります。自分のやりたいことや楽しいことに時間を使えると充実感が味わえます。これまで和田秀樹さんの『人生に差がつく時間の作り方・活かし方』や樺沢紫苑さんの『神・時間術』などの本を読んで時間管理の方法を学んできましたが、今回はアメリカ人の2人が書いた本書を読んでみました。
本書の著者、ジェイク・ナップさんとジョン・ゼラツキーさんはGoogleやYouTubeでプログラムやデザインの仕事をされ、現在は著述家として活動されています。
本書で述べられる時間術は①その日の優先事項を決める、②優先事項に集中する方法、③1日という単位で集中力を保つエネルギー・チャージの仕方、④1日を振り返るメモの作成、という4つのステップから成り立っており、全部で87個のスキルが紹介されています。この4つのステップのうち、特に①と③に注目しました。本書で優先事項は「ハイライト」と呼ばれています。
「毎日、その日の優先事項としてスケジュールを確保する活動(=ハイライト)を1つ決めよう。」(35ページ)
「今日のハイライトを何にしよう?」と考えることで、自分の大事なことに時間を使えるようになり、他人の優先事項に反応してまる1日を無駄にしたりせずにすむ。ハイライトを選ぶことで、前向きで積極的な気持ちになれるのだ。」(36ページ)
私は今まで、このように1日の「ハイライト」を決める習慣をもっていませんでしたが、とても重要なことだと思いました。
古代と現代の「いいとこどり」で「エネルギー・チャージ」する
それから③エネルギー・チャージの仕方ですが、本書ではスマホなどと同じように人間には「バッテリー」があると想定することが必要で、「バッテリー」が空っぽの状態ではどんな活動をすることもできないというのが本書の立場です。
ナップさん/ゼラツキーさんは、人間の心身は古代人とあまり変わらないと述べ、古代と現代の「いいとこどり」をするという戦略を紹介しています(215ページ)。この「いいとこどり」という戦略は面白いと思いました。それは、毎日運動すること。野菜、果物、ナッツ、魚、肉などの加工されていない食品を食べること。コーヒーのカフェインを利用し、無糖で飲むこと。人の多い場所の喧騒を離れて自然に親しむこと。仲間との親密な時間を過ごすこと。しっかり睡眠をとり、適度に仮眠をとること、などです。
「メールタイム」を決める
それから②の集中力を保つ方法として、「メールタイム」を決めるというのがありました(164ページ)。デスクワークをしていてメールチェックに多くの時間を費やすというのはやってしまいがちなことだと思います。ナップさん/ゼラツキーさんは、予定表に「メールタイム」を追加して、そのための時間が確保されていると知っていれば、いま、わざわざメールで時間を無駄にしようと思わなくなるだろう、と述べています。私はメールには重要性が高いものもたしかにありますが、緊急性が高くないものが多いので、何度もメールチェックするのはやめようと思いました。
本書には、1日を振り返るメモの作成のためのフォーマットが示されていますので、コピーして活用できます。フォーマットには、その日のハイライト、集中度、エネルギーレベル、その日試した戦術、明日試したい戦術が記入できるようになっています。本書で紹介されている87個の戦術のうち、試したい戦術にトライし、その効果を振り返るためのメモです。私はまず、「メールタイムを決める」というのからやってみたいと思います。