(アドラー心理学)「他人の課題を背負わない」ことがポイント
アドラー 著『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』
(ダイヤモンド社、2014年)
アドラーは有名な心理学者ですが、自分の考えを体系的にまとめた本を書く活動にはあまり熱心でなかったようです。そのため、今一つ捉えどころのない心理学者のように感じるところがありました。本書は、アドラー自身の言葉を心理カウンセラーの小倉広さんが解説したものです。本書を読んで、アドラー心理学の重要ポイントを理解したいと思いました。
()の中はページ数ではなく、本書で選ばれたアドラーの100の言葉のうちの何番かという数字です。
本書を読んで、アドラー心理学の特徴的な部分だなと感じたのは、「他人の課題を背負ってはいけない」というアドラーの主張です。自分が悩んでいる問題は、本当に自分の問題なのだろうか、と問い直すべきだという主張をアドラーはしています(97)。
それは具体的には「その問題を放置した場合、不利益を被るのは誰か?」と問うことです。子どもの成績が低下した場合、不利益を被るのは子ども自身。本来は子どもの課題であるはずの事柄を、親の課題のように感じてしまっていないか? それは「課題の分離」ができていないということ。
相手の課題を勝手に背負うのではなく、相手との間に線を引いて、明確に分離することが必要というアドラーの主張は、私にとっては新鮮に感じられました。
実際の生活で、「課題の分離」ということができているのかどうか。それをすることが、どこまで有効なのかを確かめてみたいと思いました。