職場のコミュニケーションは「1:2:7の法則」で考える
樺沢紫苑 著『これからの生き方図鑑』
(光文社、2023年)

本書にはアフター・コロナの新生活で何に気をつけて、どう行動すればいいのかについて47個の具体的な論点と方法が示されています。今回は「特定の数名とつながりを深める」です。
前回、「好意の1 : 2 : 7の法則」について触れました。職場など何かの集団の中で生きていく場合の気構えとして、ソリの合わない人、ウマの合う人、どちらでもない人の割合がおよそ1 : 2 : 7になることが多いというユダヤ教の格言があります。
本書『これからの生き方図鑑』では、上記のことから発展して、自分の有限な時間、エネルギーをウマの合う人に投下して、関係を深めることがうまく仕事をこなし、満足度を高めるコツだということが述べられています(153ページ)。それが「特定の数名とつながりを深める」ということの意味です。この「特定の数名」を「キーマン」と考えるわけです。
私は、この樺沢さんの意見に賛成です。とても重要なことだと思います。それはみんなと仲良くする」というのは無理だと思うからです。
小学校や中学校のクラスでは「だれとでも仲良く」という方針で運営されていて、これが一種の幻想を抱かせているのではないかとも思いました。「好意の1 : 2 : 7の法則」というユダヤ教の格言は、そういう幻想を打ち破る、とても重要な考え方なのではないかと思います。