(鎌倉殿の13人)「いざ、鎌倉」頼朝に集合してきた3つのもの

三谷幸喜・作『鎌倉殿の13人』(第8話)
(NHK大河ドラマ、2022年)

 『鎌倉殿の13人』を私はリアルタイムでは視聴していなかったのですが、このたびDVDで観る機会をもつことができました。脚本家の三谷幸喜さんのおかげで、今まであまり興味のなかった鎌倉時代の人々の生活や人間模様を知ることができてうれしいです。今回は第8話「いざ、鎌倉」を観た感想をリポートします。
 大敗を喫した頼朝(大泉洋)は海路、房総半島南部に逃げ延びました。軍を立て直して北上し、鎌倉を目指します。鎌倉は頼朝の父・義朝が治めた地でした。
 第8話では3つのものが頼朝の元に集まり出したように思いました。
 1つ目は、兵の数。これは平家に不満をもっていた坂東(関東)の豪族たちに対して頼朝や義時(小栗旬)が粘り強く働きかけた成果が出始めたということだと思いました。特に上総広常(佐藤浩市)が味方に加わったのが大きい。その兵力は2万人です。頼朝軍は一気に大きくなりました。ただ、上総が頼朝と初めて対面した時には、まだ頼朝を裏切る用意もしていたようです。しかし、頼朝は上総に迎合せず、遅刻を責め立てる気迫を見せたことで、味方に引き入れることに成功しました。
 2つ目は、頼朝の兄弟たちが集まり出しました。異母兄弟で僧になっている全成(ぜんじょう、新納慎也)が房総半島を北上する場面から頼朝に同行するようになりました。同じく頼朝の異母兄弟の源義経(菅田将暉)も奥州の藤原秀衡の屋敷を去り、関東に向かっています。途中、兎を取り合った男と「矢を遠くに飛ばせた方が兎を得るというのはどうじゃ?」と提案し、先に矢を打たせて、自分の矢を男に射て殺害するというクレージーさを発揮しています。頼朝との対面も近そうです。
 3つ目は、頼朝の元に房総の漁師の娘・亀(江口のりこ)が同行して鎌倉入りしました。そして、頼朝の妻・政子も伊豆から鎌倉に合流しました。
 このように鎌倉入りした頼朝の元に兵と兄弟と女たちが集合する様子が第8回で描かれました。次回も楽しみです。

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