(鎌倉殿の13人)平泉の藤原氏の代替わりで義経がピンチ

三谷幸喜・作『鎌倉殿の13人』(第20話)
(NHK大河ドラマ、2022年)

 『鎌倉殿の13人』を私はリアルタイムで視聴していなかったのですが、このたびDVDで観る機会をもつことができました。脚本家の三谷幸喜さんのおかげで、今まであまり興味のなかった鎌倉時代の人々の生活や人間模様を知ることができてうれしいです。今回は第20話「帰ってきた義経」を観た感想をレポートします。
 今回のストーリーの骨組みは、①奥州平泉vs鎌倉、②頼朝vs義経、③藤原泰衡vs藤原国衡、④義経の正室(郷御前)vs側室(静御前)という4つの対立軸だと思いました。こういう対立の局面は、京を追われた義経が奥州平泉まで逃げのびることに成功したことから始まっています。現在の京都から岩手県まで、どうやって渡ったのか疑問に思いましたが、そこは描かれませんでした。
 義経(菅田将暉)が平泉に入ったことは鎌倉の頼朝(大泉洋)の耳にも入ります。平家を滅ぼした張本人の義経の軍略と平泉が擁する兵の数が合わさると、鎌倉にとって大きな脅威になります。
 頼朝は北条義時(小栗旬)を平泉に向かわせます。義時の考えでは、義経を説き伏せて鎌倉に連れて帰るというものでした。しかし、頼朝の指令は「生かして連れて帰るな」というものでした。頼朝の冷酷さが現れていると思いました。
さらに、頼朝は「義経を自ら殺すのではなく、平泉に義経を討たせよ」と指示を出します。
 平泉の国主は、義経が帰った当初は3代目の藤原秀衡でしたが、秀衡が死に、4代目の藤原泰衡に代替わりしたとき、その兄・国衡と泰衡の間が不仲でした。泰衡は鎌倉に歯向かうつもりはありませんでしたが、義経の扱いに関して泰衡と国衡との間には考えの違いがあり、泰衡は義経を討って、首を鎌倉に送ったのでした。
 まだ京にいる時、義経の側室(静御前)憎さに、正室(郷御前・さとごぜん)が義経の宿所を襲わせた事件を、義経は頼朝の仕業と誤解していたことが判明し、義経は正妻・郷御前を刀で刺して殺す場面もありました。
 このように今回は、4つの対立軸が絡み合いながら、義経の最期が描かれた回でした。とても面白かったです。

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