「不安」「怒り」「焦り」を感じたら「書く」ことが重要!
植西聰 著『心の乱れを整える 9つの習慣』
(永岡書店、2015年)
人生論の研究から
2011年にサッカー選手の長谷部誠選手が『心を整える』という本を出して話題になりました。スポーツ選手の著書として初のミリオンセラー達成した本だそうです。サッカーの練習や試合中のことだけでなく普段の生活の中での考え方や習慣にしていることなども書かれていて面白い本でした。
植西さんの本書『心の乱れを整える 9つの習慣』を書店で見かけ、長谷部選手の本にタイトルが似ているところから気になって読んでみました。
本書の著者、植西(うえにし)聰(あきら)さんは心理学、哲学、東洋思想などに基づいた人生論の研究をされている著述家です。本書は、人生を歩んでいく中で大切にすべき考え方を、見開き2ページに1項目ずつ解説した本です。特に、心の乱れに焦点をあてて解説されており、私も共感する点が多々ありました。たとえば次のような項目です。
共感できた数々の内容
・苦しいときこそ楽しまなければならない(苦しいことが多いから、楽しむことで、心のバランスをとる必要がある。)
・物事にはかならず、いい面と悪い面がある(いい面」に注目することが、心穏やかに笑っていくコツ)
・自分に今ある幸福に気づくと、むやみに他人をうらやましく思わずにすむ。
・失敗を成功に変える3つのポイントは①失敗の原因を明らかにする、②対策を考える、③失敗から《成功のパターン》を学ぶ。
・心穏やかに生きていくためには、人を非難したり、悪口に同調したりしないことが大切
・座禅など、自分に合ったスタイルで「静かに自分と向かい合う時間」をつくることが大切
・「不安でしょうがない」という人は、その不安の具体的な内容をノートに書き出してみるとよい
・怒りの感情から逃れ、平静を取り戻す方法のひとつに「今の状況を書き出す」というものがある(自分自身を客観視する)
・焦りを落ち着かせる3つの手順は①やらなければならないことを書き出す、②やるべきことを取捨選択する、③やるべきことに優先順位をつける(やるべきことを整理して、順番に、自分のペースで片付けていく)
植西さんは、禅など東洋思想から多くを取り入れて現代の読者にアドバイスしていると感じました。また、「書く」ことを重視してアドバイスをされているとも感じました。
「不安」「怒り」「焦り」を感じたら、その時の自分の状況を「書く」ことが大切なのだという植西さんのアドバイスには共感しました。これから取り入れていきたいと思います。また、久しぶりに長谷部誠選手の『心を整える』も読み直してみたいと思いました。