(アドラー心理学)「怒り」をコントロールのコツはライフスタイルの改善にあり!
アドラー 著『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』
(ダイヤモンド社、2014年)
本書は、アドラー自身の言葉を心理カウンセラーの小倉広さんが解説したものです。本書はアドラー心理学のエッセンスが凝縮されていると思います。今回は感情コントロールについてのアドラーの考えについてです。
怒りを爆発させないようにコントロールする「アンガーマネジメント」というものがあります。書店では、この「アンガーマネジメント」についての本がたくさん売られています。
「怒りのピークは約6秒なので、とにかく6秒間怒りを爆発させないように気をそらすとよい」とか、自分の怒りの傾向を知るために怒りを感じたときの記録「アンガーログ」をつけようとか、とても有益な知見を提供してくれていると思います。
さて、アドラーは「怒りなどの感情をコントロールしようとするのは無駄である」と述べています(本書29)。このアドラーの言葉は「アンガーマネジメント」を否定しているようにも感じます。
ただ、アドラーの考えでは、怒りなどの「感情」は「ライフスタイル」の産物です。そこで、感情をコントロールしようとするのではなく「ライフスタイル」を正すことのほうが重要だとアドラーは考えていたようです。
アドラーが言う「ライフスタイル」は「性格」であり「生き方のクセ」でもありますが、「ものごとの捉え方・認知の中核を為す基本的信念」とも言い換えられます。「感情」よりも、この「ライフスタイル」をコントロールせよというのがアドラーの教えです。