(文章力)「伝わる文章」は「目的」と「反応」が明確
山口拓朗 著『伝わる文章が「速く」「思い通りに」書ける87の法則』
(明日香出版社、2014年)

仕事でメールを書く機会が多いのですが、伝えるべき内容がしっかりと文面に書き込めているのかはいつも半信半疑です。これまでメールの書き方を習ったこともありません。人から来たメールを参考にしながら(真似しながら)書いてきました。ここらで文章を基本から学んでおきたいと思い、本書を読んでみました。
本書の著者、山口拓朗さんはYouTubeなどで自ら「文章の専門家」と言っておられます。オンラインでライティングサロンなども運営されておられます。
本書を読んで、最も印象に残ったのは、山口さんが「読む人の反応を決める」ことが大切と述べておられることでした(20ページ)。「読み手がどう読むのかは決められないのでは?」と思ってしまいましたが、山口さんはこの主張を強く展開しています。読み手の反応を「予測する」レベルではなく、反応を「決める」必要があるのだと。
山口さんの主張の真意は、「自分の書く文章の目的を明確にする」というところにありそうです(21ページ)。そのためには読み手のニーズの把握や、読み手が納得するような根拠・理由を文書に盛り込む必要があります。文章の全体として、自分が相手に望む反応と、相手のニーズの把握、その反応の裏付けとなる根拠・理由や提案を盛り込んだ文章を書くことで、文章は伝わりやすい文章になる、ということだと思います。
山口さんは、脚本家が書くシナリオの事例をあげています。シナリオはシーンごとに「大爆笑させる」「しんみりさせる」「号泣させる」というように具体的な反応を決めて書かれています。伝わる文章には、これと同じ構造がある、というのが山口さんの意見です。これは、とても勉強になりました。
その他、本書で勉強になったことを列挙すると、「書くことは自問自答の連続」(24ページ)、書く前に「設計図を作ろう」(32ページ)、文章の「テンプレートを活用する」(37ページ)、常識・一般論に終始した文章にならないように「切り口を工夫する」(270ページ)、といったトピックがとても参考になりました。
本書は仕事用のメールなどできちんとした文章を書く必要がある人には是非ともオススメしたい一冊です。私も本書の内容を、今日から活用してメールなどを書いていきたいと思います。