(鎌倉殿の13人)大河ドラマだからこそ→「頼朝の落馬」
三谷幸喜・作『鎌倉殿の13人』(第25話)
(NHK大河ドラマ、2022年)

『鎌倉殿の13人』を私はリアルタイムで視聴していなかったのですが、このたびDVDで観る機会をもつことができました。脚本家の三谷幸喜さんのおかげで、今まであまり興味のなかった鎌倉時代の人々の生活や人間模様を知ることができてうれしいです。今回は第25話「天が望んだ男」を観た感想をレポートします。
今回は、源頼朝(大泉洋)の晩年が描かれました。最期は落馬した場面で終わっており、この落馬は鎌倉時代の史書『吾妻鏡』にも書かれているそうです。これは初めて知りました。学校の社会科で習ったのは「イイクニつくろう鎌倉幕府」とか、「御恩と奉公」とか、「武家諸法度」とか「元寇」とかで、頼朝の最期が落馬だったとかは習いませんでした。大河ドラマを観ていると、こういう人間的な部分が見えてきて面白いなと思います。
さて、次の「鎌倉殿」、征夷大将軍は息子の源頼家にする意思を頼朝は北条義時(小栗旬)や政子(小池栄子)に伝えていました。「鎌倉殿」頼家を母・政子や叔父・義時が支える体制です。これがうまくいくのかどうか。頼家は10代後半で、将軍職を務めるにはまだ若いこと、そして、女好きなことなどが今回のストーリーでかなり描かれていました。うるさい御家人たちを束ねることは父・頼朝でさえも苦労していたので、鎌倉幕府の行く末は波乱が予想されます。
そして、北条のライバルになっている比企家の存在も曲者だと思いました。比企能員(佐藤二郎)は裏表のあるタイプで、妻も悪知恵が働き、頼家の乳母(育ての親)でした。さらに挙げると、義時の後妻にも比企家の者をとらせているという手の回しようです。
こう考えると、頼朝が亡き後は、比企家がどこまで力を伸ばしてくるのか、というのがしばらくはポイントになりそうだと思いました。次回も楽しみです。