読書感想文の「型」を穴うめ式で解説した本

臼井彩莉 著『穴うめ式でらくらく書ける読書感想文』
(KADOKAWA、2019年)

 小学生のとき、夏休みの宿題の読書感想文で苦しんだ覚えがあります。書き方がよく分かりませんでした。そして、書き方を教わった記憶がないのです。何か書き方のコツ、「型」のようなものがあればいいと思い、探したところ小学校4~6年生向けですが、本書を見つけ読んでみました。

 本書の著者、臼井彩莉さんは神奈川県にある中学受験塾のCG啓明館の講師です。本書の「おわりに」に書いてありましたが、受験塾にお勤めの臼井さんにも生徒たちから夏休みの読書感想文の宿題が負担だという声を多く耳にするのだそうです。私が小学生だった40年ぐらい前とあまり変わっていないのだなと思いました。
 本書では、読書感想文の基本となる要素が「感じたこと」「気になった場面」「理由」「まとめ」の4つだと解説されています(16ページ)。「まとめ」は内容の「要約」ではなく、自分の伝えたい考えの「まとめ」です。
 そして、読書感想文の書き方として3つの「型」が解説されています。それは①あたま型、②おしり型、③サンドイッチ型、です。

①あたま型は、最初に「感じたこと」を書き、その後に「理由」
②おしり型は、最初に「気になった場面」を書き、最後に「感じたこと」や「まとめ」
③サンドイッチ型は、最初に簡単に「感じたこと」を書き、その後で「理由」や「気になった場面」、最後に「まとめ」



 本書では、①②③の「型」を用いて読書感想文が書けるように、穴うめ式の質問があり、それを埋めたものをつなぎ合わせると400字詰め原稿用紙1枚ぐらいの文が完成するという体裁になっていて、とても分かりやすい本だと思いました。
 本書で用いられている練習用の文章は「ごんぎつね」や「くもの糸」「スーホの白い馬」などの教科書に出ているような有名な文です。大人が読書感想文の練習をするのにもってこいの本だと思いましたのでオススメします。

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