営業職OLがやってる時間術とは?

aya 著『「夢を手に入れる」人がやっている時間術』
(自由国民社、2022年)

 時間術に関連する本は樺沢紫苑さんの『神・時間術』、和田秀樹さんの『人生に差がつく時間の作り方・活かし方』、若杉アキラさんの『捨てる時間術』という3冊を読んできました。今回は4冊目として、社会人5年目の女性の著者の目線から書かれた時間術の本を読んでみました。
 本書の著者、ayaさんはインフラ系の企業の営業職を務める社会人5年目の現役OLです。OLの視点から通勤服やアクセサリーのプロデュースも手がけており、Instagramのフォロワーが2022年2月の時点で27万人を超えているそうです。本業・副業ともにマルチに活躍している印象です。

「会議の目的を共有する」のも時間術

 本書を読んで、勉強になったのは企業で仕事を進めるうえで必要となる会議やメール連絡、パソコンを使った資料作成などについての工夫です。たとえば、会議に関してのayaさんの工夫として「会議のゴールを共有しておく」というものがあげられています(106ページ)。これは当然といえば当然のことかもしれませんが、私の経験でも、ゴールが明確でない、あるいは、ゴールが共有されていない会議というものが案外多いように感じています。とりあえず集まっただけで、何を話して何を決めればいいのか、共有されていないと会議は長くなる傾向がありますし、終わった後の徒労感が大きくなります。会議を開催する目的、何を決めるための会議、といったことを事前連絡や会議冒頭で確認し共有することはとても有益だと思いました。これによって話がそれた時でも軌道修正が可能になります(109ページ)。入社5年目のayaさんが、この点に気づいて実行していることに感心しました。

メールの件名も工夫する

 また、メールの工夫では、件名の中に「パスワードご案内」「資料送付」「会議開催案内」などの言葉を入れることによって、後から検索しやすい件名にしていることや、メールでやりとりした最後の返信には、何日に電話する、手続きを行なうなど、自分がやるべき行動を記載することで備忘録の代わりにしている点、そしてメールの件名だけで内容が分かるように書くことなども見習いたい工夫だと思いました。
 パソコン操作では、よく使う操作はショートカットキーを習得して時短したり、その日終わらなかった資料作成では翌日の作業内容を開いているセルに記入しておいたり、などの工夫が紹介されていました(116ページ)。

社内連絡は5W1Hでチェック

 またayaさんは、社内での連絡や依頼については5W1Hで必要事項をチェックしているそうです(92ページ)。たとえば、「いつ(水曜まで)」「どこで(社内で)」「誰が(後輩が)」「何を(資料を)」「なぜ(新商品のラインナップ紹介のため)」「どうやって(PowerPointで)」というように漏れなく伝えることで、後でやり直しになることを防いでいます。これはすばらしい時間術だと思いました。そして、「同じミスをしなければ時短になる」という指摘(104ページ)が重要だと思いました。ayaさんは1度間違えたことは必ずメモとして蓄積しておき、次回資料作成時のチェックリストとしているそうです。

腕時計はスマホ時間を減らすアイテムになる!

 本書には、バッグインバッグで探す時間をなくしたり、スマートウォッチを使ってスマホを見る時間を減らしたり、キャッシュレス決済で便利に買い物をしたり、といったayaさんが行っているプライベートでの工夫も紹介されています(64ページ)。


 ayaさんは、「どうしたらこの作業が効率化できるだろうか?」と考えたり「こんなものがあればいいのに」と思ったりしたことを、自分で作りSNSを通じて発信しています(46ページ)。「私が悩んだことは、誰もが悩むこと」という精神で情報発信をしており、すばらしいと思いました。

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