(鎌倉殿の13人)戦の場で急に生き生きする義経にドン引き
三谷幸喜・作『鎌倉殿の13人』(第16話)
(NHK大河ドラマ、2022年)

『鎌倉殿の13人』を私はリアルタイムで視聴していなかったのですが、このたびDVDで観る機会をもつことができました。脚本家の三谷幸喜さんのおかげで、今まであまり興味のなかった鎌倉時代の人々の生活や人間模様を知ることができてうれしいです。今回は第16話「伝説の幕開け」を観た感想をリポートします。
今回も内容が盛りだくさんで、ドラマの状況設定が大きく動いた回だったと感じました。特に前半は木曽義仲(青木崇高)の討ち死に、後半は源義経(菅田将暉)が京に入って後白河法皇(西田敏行)と対面し、すぐに西の平家討伐に向かうところがストーリーの中心でした。
木曽義仲は鎌倉の頼朝(大泉洋)とは親戚の源氏の一派でしたので、源氏同士の争いだったということを考えると何とも不思議な感じもします。鎌倉の御家人たちは源氏同士の争いに駆り出されるのは納得がいかないと言って抵抗したのが前回(第15回)大きく取り扱われました。しかし、頼朝への謀反は鎮圧され、総大将に祀り上げられた上総広常(佐藤浩市)は見せしめとして殺されました。そのせいで今回、御家人たちは義仲討伐軍となって、義経率いる先発隊に合流しました。これで頼朝の勢力が盤石になったことがはっきりしました。
戦の場では義経が生き生きしていました。義経は自分たちの兵の数をかなり少ないと噂を流しました。いろいろな計略を思いつく様子に、梶原景時(中村獅童)や北条義時(小栗旬)らも舌を巻いていました。
源平の合戦ではわりと有名な一ノ谷の戦いのときのことも今回出てきました。険しい山である鵯越(ひよどりごえ)から平家の背後をついたのも義経の計略ですが、もう1つ、義経は後白河法皇に使者を送り、平家と源氏の和睦を法皇が望んでいるという文を平宗盛(小泉孝太郎)に送って油断させるという策も使いました。
こういう謀略について後白河法皇は「平家をはめるのじゃ。こういうのは大好きじゃ。」と言っており、義経と後白河法皇とはウマが合うという様子でしたが、この戦が終わった後で、頼朝と義経の衝突の火種が早くも出ていたと思いました。